わたしのライフシフトストーリー・100円ショップ立ち上げで見えた新世界 [インタビュー前編]/中野直心さん

わたしらしく生きる

働き方を選ぶ時代になり、改めて自らのバリューを見据えている女性は
たくさんいますね。
今回は、「フレキシブルな働き方」と「海外生活」の2選択で高めた
カンボジア在住の女性に「カテゴライズしない」生き方から現在を取材しました。

カンボジア在住・中野直心さん
( MI-A Japan , Manager )

中野直心さん(MI-A Japan, Manager)
IT企業 現地マネージャー

岡山県浅口市生まれ。
大学卒業後、関西の製造業メーカーに就職し海外営業を担当。
カンボジア・プノンペンで「100円ショップ」の立ち上げに関わり、現在5年目を迎える。日本ではお馴染みのブランドをゼロから立ち上げ、カンボジアに
「Made in Japan」のマーケットを開拓。現在カンボジア国内に5店舗を構えるほど拡大している。
その仕事幅はスタッフ採用から教育、店舗マネージメント、商品の発注、在庫・倉庫管理、渉外、など多岐に渡る。さらに現在はプノンペン市内にあるIT企業の現地マネージメントにも関わり、自身の働き方と生き方の両選択肢を日夜高め続けている。

―20代の女性が単身で海外移住、新たなビジネスの立ち上げに関わるのはまだ珍しいように感じます。その背景は何ですか?

カンボジアで100円ショップを立ち上げる」と話を聞いた時、
直感で「やってみたい!」と感じ、その3日後にカンボジア初訪問、
その1カ月後にはもうここ(プノンペン)に仕事に来ていました。
海外で仕事をするのはこれが初めてでしたが、不思議と不安は
感じていませんでした。

それよりも「100円ショップ」と聞いて、店舗運営も小売業も
全く経験のない中で本当に出来るのかと感じていましたが、
わき目を振る余裕もなく、好奇心のままに進んでいきました。
もともと、私自身日本で仕事をしていた時から、さまざまな
仕事を掛け持ちしていたこともあり、仕事をすることそれ自体に
固定概念や、過剰な期待は多くはなかったのかもしれません。

強いていえば、海外へのあこがれや夢はありました。
それが具体的になってきたのは、学生時代の海外留学先で出会った
ホストファミリーの存在。そして社会人になってから出会った様々な
職種の、たくさんの人の言葉とサポートです。
日本での生活も充実をしていましたが、今を振り返れば海外で仕事をする
きっかけは常に探していたようにおもいます。
全く未経験の分野であったにもかかわらず、私の人となり
だけを見て、即カンボジアでのチャンスをくれた今のオーナーに感謝
してもしきれませんし、カンボジアに来ることに躊躇も後悔もしませんでした。

直心さんはこれまでに「100円ショップ店長がみたカンボジア文化人類学」と
題して現地のメディアに寄稿を続けてきた。その語り口調や、商品から垣間見られるお客様の反応は常にユーモアと、たっぷりの愛情が詰まっている。
毎日が戦場のような売り場ですら、笑いに変えてしまうのは愚痴をいう
時間すら惜しいから。

「カンボジア(海外)でのお仕事は、日本でのお仕事では考えられない
課題や困難が付きまといます。しかし、一方で、未経験でも仕事が出来たり、
若くても責任のあるポジションを任せていただいたり、自由度の高い仕事スタイルを確立できたりと、実にたくさんの経験が詰めることも事実。
ここにしかないメリットを最大限に生かし、ここで出会える人に感謝し、
新しいチャンスを楽しめたらと思います。」

直心さんの多忙なとある平日
・朝6:30~7:00起床 朝はいつもハンドドリップのコーヒーとパン。
・8:00~12:00 IT企業に出勤、ミーティングやアポ取り、見積作成など
・12:00~ ランチ休憩~移動
・13:00~ 100円ショップにてスタッフの仕事確認
・14:00~ スタッフミーティング
・14:30~ 銀行まわり、事務作業など
・15:00~ 商品陳列の修正指導
・16:00~ 在庫データの整理、分析
・18:00~ スタッフへの確認・引継ぎ。 移動
・19:00~ 会食

これだけの業務を仕切るのは日本国内であってもその仕事量は膨大だといえる。
それが異国ともなれば、仕事量は倍といっても過言ではない。

そんな折、直心さんは30代を迎えて自分の新たなバリューはどこにあるのか?
その価値を問い続ける時がきます。

日本である必要があるのか、海外で生きる必要があるのか
この働き方で良いのか、等身大の自分の幸せってなんだろう

これまでに感じたことのない迷い、焦りが自身とともにあることに気づいたというのです。

後編につづく

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