ハーブ大国カンボジアで美しく歳を重ねる・注目のスパからスパイスまで【前編】

海外生活

みなさんは自分の体や心をどのようにメンテナンスしていますか?
顔はしっかりスキンケアしていても体の内側や、心、内面まで実は見落としがちな方もいるのではないでしょうか。

昨今注目されている「ハーブ」。東南アジア・カンボジアでは多様なハーブを用いた「クル・クメール」(伝統医療師)と呼ばれる人々が処方する薬を使ってきました。
ここでは、リトリート効果の高いハーブの種類から、ケア方法、お家でできるハーブの取り入れ方、そして現地カンボジアに訪れる機会がある方はぜひ、お試しいただきたいスパまでを前編、後編でご紹介していきます。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

そもそもクル・クメールって何?

クメール伝統医療のお医者さんkru khme(r クル・クメール)は、カンボジアの人々の生活に根づいた、頼りになる身近な存在。 体内のエネルギーバランスを整えて、自然治癒力を高めるために、ひとりひとりに合わせて国内の800種以上もの薬草や鉱物をアンコール王朝の時代から、母から子へ、孫へと受け継がれてきた、体内バランスを整え自然治癒力を高めるクメール伝統医療なんです。

どんなハーブがあるの?

それでは、カンボジアにはどのようなハーブがあるのでしょうか。

実際みていきましょう。

①レモングラス

レモングラスは、インド、スリランカ、インドシナ半島の原産で、熱帯アジア地域に自生しているハーブ。その歴史は古く、インドでは数千年前から人々に好まれ、栽培されてきたといいます。伝統医学アーユルヴェーダでも利用されてきました。

このハーブはレモンと同じ香りの成分(シトラール)を含有し、レモンのような強い香りを放つハーブ(草)であったことからレモングラスと名付けられたといわれています。

【効能】

レモングラスには抗菌・殺菌作用があり、風邪の予防や腹痛、下痢の緩和にも効果的といわれています。また胃の働きを助けて消化を促進し、脂肪の分解を促す作用もあるといわれています。食べ過ぎて胃もたれしたときや胸やけのするときなど、レモングラスのハーブティーがおすすめ。そのほかにも、レモングラスには血行を促進し、貧血を予防する効果があるといわれています。

ちなみに、カンボジアではスープや炒め物、魚料理の臭み消しなど、多くの料理に用いられています。

②ローゼル

ローゼルは本来多年草に属する植物で、原産国の暖かい国などでは、まるで木のようにグングン育ちます。

【効能】

ローゼルにはビタミン・ミネラル類や、アントシアニン色素・ペクチンなど、美容と健康に良い有効成分がたっぷりで、クエン酸・リンゴ酸などの有機酸類を多く含んでいます。

赤色の成分は「アントシアニン系色素」で、抗酸化物質ポリフェノールの一種。「活性酸素」の生成を抑制し、血液を綺麗にする効果や、のどの炎症をおさえる効果があるとされ、風邪をひいたときやのどを使い過ぎたときに飲むと効果的です。カリウムを多量に含み、利尿作用もあるので、お酒を飲み過ぎた翌朝に飲むと、二日酔いやむくみの改善に期待できます。便秘や肌荒れ・疲れ目・美白などにも・・・サビない体つくりに最適です。
そして、ローゼルには天然酵母がタップリ。発酵を生かしたレシピも色々楽しめます。

ちなみにカンボジアの言葉で「マチュー・ルモーム」と呼ばれ、「ほどよい酸っぱさ」という意味があるのだそう。若葉をいれると酸味のあるスープに仕上がり、程よい酸っぱさを好むカンボジアの食事には登場するハーブなのです。

ちなみにローゼルは一年に一度、11月から12月の時期にしか花が咲かないため、季節限定の料理といえそうです。

③パッションフルーツ

赤紫玉のパッションフルーツ。 実はパッションフルーツとは世界中に600種以上と沢山の種類があるそうですが、プチプチとした種が多くゼリー状の実がはいったものを指します。

【効能】
ビタミンB6やビタミンC、葉酸などが豊富

アミノ酸の代謝に大きな役割をもつビタミンB6や、抗酸化作用があり免疫力を高めるビタミンC、それに女性には欠かせない葉酸などをたっぷりと含んでいます

パッションフルーツの栄養と効能は品種や生育期間により、毒性(主に青酸)も含まれるそうですがヨーロッパでは医薬として、精神安定、不眠症、気力回復の改善として、ハーブティーなどで活用されています。

カンボジアでは、モンドルキリ地方の山岳民族料理で、パッションフルーツの若葉も食べられているのだとか。さっと湯通しして食べるそう。とても体によさそうです。

④シナモン

スリランカのセイロンで栽培される肉桂(ニッケイ)の樹皮から作られるスパイスのことで、「セイロンシナモン」とも呼ばれます。紀元前4000年頃からミイラの防腐剤として使われ始め、世界最古のスパイス。実は、「シナモン」という名称で流通しているものの中には別品種のものも存在します。これはシナモンの近縁種「シナニッケイ」で、「カシア」という別名を持ちます。こちらは、中国、タイ、ベトナムなど、東アジア・東南アジアで生産されており、セイロンシナモンに比べ色みが赤く、樹皮が肉厚であることが特徴です。今回は、カンボジアで採取される「シナモン」をこちらでは指します。ちなみに、カンボジアの「シナモン」(シナニッケイ)は濃厚な甘い香りとスパイシーな後味を特徴

【効能】

シナモンには、豊富なミネラル成分とビタミン群が含まれています。
具体的には、ビタミンB1とB2、カルシウム、マグネシウム、鉄、ナイアシン、カリウム、亜鉛など。

シナモンには栄養素以外にも、毛細血管の老化防止に効果のあるシンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)等も含まれています。消化促進、抗菌、発汗、健胃、血行改善など。それに加えて血糖値や中性脂肪、コレステロール値を低下させるなど生活習慣病の予防にも効果的です。
また、殺菌作用や解熱作用もありますから、風邪の予防や改善にも役立つでしょう。
そんな中でも、特に有効とされているのが毛細血管の保護。毛細血管が減少すると健康はもちろん、シミやシワ、たるみの原因になるなど美容面でもいろいろと問題が出てきます。

シナモンも、スープのスパイスのひとつとして使われます。

カンボジアでは、スープにシナモンを使用します。

⑤モリンガ

最近、健康食品としてよく聞くモリンガ。「学術名:モリンガ・オレイフェラ」「日本名:西洋ワサビの木」というそうです。
モリンガは健康生活に必要不可欠な「90種類以上」の栄養価と300種の薬効を含んでいる植物なんですね。

【効能】

モリンガは「18種の必須アミノ酸および非必須アミノ酸」をバランスよく高濃度で含んでいるのが大きな特徴です。さらにモリンガには「活性酸素の抑制効果」や「アンチエイジング」「脳梗塞や動脈硬化の予防効果」で知られているポリフェノールが赤ワインの8倍以上含まれているのだとか。

さらに「老化防止」「認知症予防」「神経安定作用」に効果があると言われています。またギャバにはアルコールで弱った肝臓や腎臓を元気にする力もあることが動物実験で示されています。

そのほか、モリンガに多く含まれるクロロフィルは高い解毒作用があることも知られ、食品に含まれる有害成分などの解毒にも有効的です。

いかがですか?
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続いて、カンボジアに伝わる「伝統医療」についてご紹介していきます。

カンボジアには、一般に「世界3大伝統医学」と呼ばれているものがあります。

・中国伝統医学、

・インドのアーユルヴェーダー医学、

・アラブ圏のユナニ医学

の3つです。

世界中にある伝統医学は、この3つのいずれかの影響を受け派生していると言われているそうです

カンボジア伝統医療の中にも、日本でも知名度のあるタイの伝統医療と同じように、マッサージ療法や蒸気療法もありますが、薬用植物を原料とした

・煎じ薬や、

・薬用酒、

・塗り薬、

を使った薬餌療法があるのです。

それでは、後編ではカンボジアのハーブを用いて体験できるスパをご紹介していきます。
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